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マンションのリフォームで無垢フローリングはNG?|マンションで選ぶべき床材について解説します!

マンションの床を「無垢フローリングにしたい」と考える方は多いです。

しかし現実には、遮音等級の規定や床の高さの制約があるため、無垢材の施工には多くの課題が伴います

この記事では、マンションで無垢フローリングを施工する際の制約と、複合フローリングを含めた現実的な選択肢について、詳しく解説します。

マンションの規約に沿った、失敗しない床リフォームの判断材料を知りたい方におすすめの内容です。

なぜマンションで無垢フローリングが使えないのか?

マンションにおけるフローリングリフォームでは、「無垢フローリングを使いたい」と考える方が多い一方で、実際には施工できないケースがほとんどです

その理由は、集合住宅特有の「遮音性能基準」による制限です。

ここではその背景を詳しく解説します。

無垢材は遮音性能が足りない

無垢フローリングは自然木をそのまま削り出した素材で、踏み心地や風合いに優れる一方、遮音性能には乏しいという弱点があります

床を踏んだ時の「コツコツ音」や「ドスンという重量音」が階下に響きやすく、集合住宅ではトラブルの原因となりやすいのです

マンションの規約に合致しない理由

多くのマンションでは、「LL-45」や「LL-40」といった遮音等級の規定を設けています。

これは「上階の足音がどれだけ聞こえるか」を示す指標で、無垢材単体ではこの基準をクリアできないため、管理規約上NGとなることが一般的です

管理組合の許可が下りないケースも

遮音性能をクリアするために無垢材の下に防音マットを敷く手法もありますが、管理組合がその仕様を認めていない場合もあります

「無垢材を使いたい」という希望があっても、申請の時点で却下されることもあるので注意が必要です

遮音等級ってなに?|マンション特有のフローリング規定

マンションでのリフォームでは、「遮音等級」という言葉がよく出てきます。

これは、上階の音がどの程度下の階に響くかを数値で示した指標で、床材の選定に大きな影響を与えます

以下では、その基準と注意点についてわかりやすく解説します。

LL-45やLL-40とはどんな基準?

「LL」とは「Light-weight Level(軽量床衝撃音レベル)」の略で、「LL-45」や「LL-40」などの数値が使われます。

数値が小さいほど、遮音性能が高く、下の階に音が伝わりにくいという意味です。

一般的に、マンションでは「LL-45」または「LL-40」程度の性能が求められることが多くなっています。

マンションで義務化されている遮音等級

マンションによっては、管理規約に「LL-45以上の性能を持つ床材を使用すること」と明記されているケースもあります

この規定を無視してリフォームすると、後に原状回復を求められたり、近隣トラブルにつながったりすることもあるため、事前確認が不可欠です

また、LL-45をクリアしていても、実際の施工方法や構造次第で効果が変わる点にも注意が必要です。

遮音性能が足りないと起こるトラブルとは?

遮音性能が不足していると、上階の足音や物音が階下に響きやすくなり、騒音トラブルに発展する可能性があります

とくに子どもの足音や椅子を引く音などは、下の住戸で非常にストレスとなることがあり、長期的なご近所トラブルにもなりかねません

こうしたトラブルを避けるためにも、遮音等級を満たした床材の選定と、正しい施工が欠かせないのです

無垢フローリングのメリット・デメリットを整理しよう

無垢フローリングは見た目や質感に優れており、多くの方にとって「理想の床材」とも言える存在です。

しかし、その魅力の裏には、住宅の構造や用途に合わない場合のリスクも潜んでいます

マンションで無垢材を選ぶ前に、その特徴を正しく理解しておきましょう。

無垢材ならではの質感と温かみ

無垢フローリングの最大の魅力は、天然木ならではの温かみや香り、経年変化による味わいです。

1枚板の木をそのまま加工しているため、足裏に伝わる柔らかな感触や、空間全体の自然な雰囲気は、他の床材では再現できません。

また、年月とともに色合いや風合いが深まり、「育てる楽しみ」を感じられるのも魅力です。

反りやすさ・メンテナンスの難しさ

一方で、無垢材は湿度や温度変化に敏感で、反り・収縮・隙間が生じやすいという性質があります。

定期的なワックスがけや湿度管理など、日常的なメンテナンスも求められます

とくに集合住宅では空調管理が難しいため、反りによる床鳴りや目地の開きが目立つケースも多いです。

戸建てには適していてもマンションには不向き?

無垢フローリングは、遮音規定がない戸建て住宅でこそ、その特性を最大限に活かすことができます

一方、マンションでは遮音性能を確保するために無垢材の下に吸音材や構造材を追加する必要があり、結果的に工事費用が莫大に上がってしまいます

こうした現実をふまえると、マンションで無垢材を使うことは「できなくはないが、費用がとんでもなく上がるので現実的とは言えない」選択肢といえるでしょう。

廃材コストがかからない

マンションのリフォームで選ばれる複合フローリングの特徴

複合フローリングは、遮音性能と施工性の高さから、マンションのリフォームで広く採用されている床材です。

無垢材と比べて軽量かつ反りにくく、マンションの規約にも適合しやすいことから、実用性を重視する方にとって現実的な選択肢となっています

ここでは、その具体的な特徴について解説します。

遮音性能が高く施工しやすい

複合フローリングには、「遮音タイプ」として設計された製品が多くあり、マンションの遮音等級(LL-45など)を満たす性能を備えているものが主流です

こうした製品は、フローリングの裏面にクッション材が付いているタイプや、防音下地とのセットで施工するタイプなどがあり、設計段階から集合住宅で採用されています

また、比較的短工期で施工できるため、住みながらのリフォームにも向いています

見た目のバリエーションが豊富

最近の複合フローリングは、デザイン性も高く、本物の木目や色味をリアルに再現している製品が多く登場しています

ナチュラル、ヴィンテージ、ウォールナット調など、さまざまなインテリアスタイルに合わせて選べる点も魅力です。

また、傷や汚れに強い表面加工がされている製品も多く、ペットや小さなお子様がいる家庭でも安心して使用できます

長期間使っても反りにくく安定

複合フローリングは、合板構造により木材の反りや変形が起こりにくく、長期的に安定した状態で使えるのが特徴です。

温度・湿度変化による収縮が少ないため、マンションのように密閉度が高い空間でも、隙間やきしみ音が発生しにくいというメリットがあります。

こうした特性から、メンテナンスの手間を抑えたい方にもおすすめの床材です。

マンションでのフローリング選びに失敗しないためのポイント

フローリング選びは、見た目の好みだけでなく、住まいの構造や規約、生活スタイルに合わせた判断が重要です

とくにマンションでは、遮音性能や施工制限など、独自のルールが多いため注意が必要です。

以下のポイントを押さえることで、後悔のないリフォームにつながります。

事前に管理規約を確認する

リフォームの計画を立てる際は、まずマンションの「管理規約」と「使用細則」を確認しましょう

そこには、「遮音等級の指定」「施工業者の届け出」「工事ができる時間の制限」など、リフォームに関する具体的な条件が記載されています

工事を依頼する業者と、気に入ったフローリング材がマンションの規約に適合するか確認しましょう。
見た目や素材の希望だけで進めてしまうと、後から施工不可と判断されることもあるため、必ず最初にチェックしましょう

遮音等級をクリアした製品を選ぶ

フローリング材の選定では、必ず「LL-45」や「LL-40」などの遮音等級を満たすことが求められます

製品カタログやメーカーの公式サイトでは、遮音性能を証明する試験データが掲載されていることが多いので、それを参考に選びましょう

また、遮音材や下地との組み合わせで等級が変わる場合もあるため、専門業者に相談しながら判断するのが確実です

工期・費用・メンテナンス性も重視する

床材を選ぶ際には、「見た目」や「性能」だけでなく、施工にかかる時間・費用・維持のしやすさも大きなポイントです。

たとえば、ナオスフローリングのように既存の遮音床に直接上貼りできるタイプなら、工期や工事費用を大幅に削減しつつ、マンションの規定にも適合します

また、将来的に部分張替えができるナオスフローリングを選べば、生活スタイルの変化にも柔軟に対応できます

まとめ

マンションで無垢フローリングを使いたい気持ちは理解できますが、遮音性能の問題や建具との干渉、床暖房との相性など、現実的なハードルが多く存在します

無垢材の施工を可能にする方法も一部ありますが、大掛かりな工事と高額な費用が必要となり、一般的なリフォームには不向きです

そのため、マンションでは遮音性能に優れた複合フローリングを選ぶのが現実的で、安全・快適な住まいづくりに繋がります

遮音性・施工性・見た目・将来のメンテナンス性などをバランスよく考慮し、ご自身のライフスタイルに合った床材選びをしていきましょう

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