階段の見た目が古くなってきた、でも全部張り替えるのはちょっと大変…。
そんなときにおすすめなのが、**既存の階段に上から貼る「上貼りフローリング」**です。
張り替えに比べて圧倒的に工期が短く、コストも抑えられるので、部分リフォームにもぴったり。
この記事では、階段だけを上貼りで美しく・安全に仕上げる方法を詳しくご紹介します。

もくじ
階段に上貼りフローリングは可能?基本の施工方法を解説
階段のリフォームというと、大がかりで手間のかかる作業をイメージされる方も多いかもしれません。
しかし、最近では既存の階段にフローリングを「上貼り」する方法が注目されています。
この工法なら、床材を剥がす必要がなく、時間とコストを大幅に抑えて階段を美しくリニューアルすることができます。
上貼りフローリングとは?既存の階段を活かした施工法
上貼りフローリングとは、既存の階段の踏板(ふみいた)の上に、薄型のフローリング材を直接接着して施工する方法です。
階段の構造を壊すことなく表面を新しくできるので、廃材が出にくく、作業時間も短縮できるのが特徴です。
さらに、素材によっては滑りにくい加工がされているため、見た目の美しさだけでなく安全性も高めることができます。
階段特有の形状にどう対応する?施工のポイント
階段には踏板、蹴込み板(けこみいた)、側板などのさまざまな形状があり、平面のフローリングよりも施工に技術が求められます。
とくに側板が湾曲している場合や、踏板の奥行きが一定でない場合には、現地に合わせた細かなカットと調整が必要です。
そのため、階段上貼りの際は、経験豊富な職人による正確な施工が重要となります。
ナオスフローリングは階段にも施工できるのか?
ナオスフローリングは、遮音フローリングの上にも施工可能な厚さ3mmの本格的なフローリング材です。
階段にも施工できますが、階段の場合は通常の床面と違い、滑り止めや安全面の工夫が必要なため、慎重な設計と職人の対応が不可欠です。
また、ナオスフローリングのサネ構造によって、踏板の連結性が高まり、しっかりとした安定感のある仕上がりが可能です。

張り替えと比べたときの工期と費用の違いとは?
「階段だけリフォームしたいけれど、どれくらい時間がかかるの?」「コストはどのくらい違うの?」
そんな疑問を持つ方は多いと思います。
ここでは、階段の張り替えと上貼りそれぞれの費用と工期の違いについて、具体的に見ていきましょう。
階段フローリング張り替えの相場と必要日数
フローリングの張り替えは、既存の床材をすべて剥がしてから新しいものを施工する方法です。
階段の場合、踏板や蹴込み板の解体、処分、そして新たな床材の施工が必要となるため、2週間くらいかかることがほとんどです。
職人2人で丸8日〜10日程度かかり、費用も40〜80万円前後が相場となります(仕様や階段数によって変動あり)。
また、音や粉塵も多く発生するため、住みながらの施工は難しいケースが多いのが実情です。
上貼りならどれくらい安く・早く済むのか?
上貼りなら、既存の階段をそのまま活かせるため、解体作業や廃材処分が不要です。
その結果、工期はわずか1日〜2日程度で済み、職人1名でも施工可能な場合もあります。
費用も材料費と施工費を含めて10万円〜25万円前後で抑えられることが多く、張り替えの半額以下になるケースもあります。
短期間かつ低コストで済む点が、上貼りフローリングが選ばれる大きな理由の一つです。
住みながらでも可能?階段リフォームの現実的プラン
上貼り施工は、住みながらの階段リフォームにも非常に適しています。
作業音は主に丸ノコの使用時のみで、短時間かつエリア限定の作業で済むため、生活動線を塞ぐ時間を最小限に抑えられます。
養生や木くずの飛散対策をしっかり行えば、清掃も比較的簡単で、安全に日常生活を続けることができます。
仮住まいを用意する必要がないのは、コスト面・手間の面でも大きなメリットですね。

階段の滑り止め・段差・見切り材の工夫で安全性アップ
階段リフォームで特に気をつけたいのが、滑りやすさや段差による転倒リスクです。
見た目だけでなく、安全面にも配慮することで、家族みんなが安心して使える階段になります。
この章では、滑り止め・段差解消・見切り材処理の工夫について詳しく解説します。
滑り止め加工のある上貼り材を選ぶべき理由
階段は住宅の中でも転倒事故が起こりやすい場所です。
特に高齢者や小さなお子さんがいるご家庭では、滑り止め機能のあるフローリング材を選ぶことが非常に重要です。
最近では、表面にエンボス加工や特殊コーティングを施した滑りにくい上貼り材も多く登場しています。
見た目が自然でありながら安全性を確保できるので、機能性とデザインのバランスも取りやすいのが特徴です。
段差解消のための削り作業とは?
上貼り施工では、既存の踏板の上に新しい床材を重ねるため、階段の高さがわずかに変わることがあります。
特に、最上段や最下段の段差が大きくなってしまうと、つまずきやすくなる原因になります。
こうした問題を解消するために行うのが「削り作業」です。
これは、リフォームしない部分の床材を電動工具で削って高さを調整し、自然な仕上がりを実現する技術で、職人の技術力が問われる重要な工程です。
見切り材でつまずき予防!安全性を高める仕上げ方
階段では、フローリングの端や段差部分に「見切り材(段鼻材)」を使って仕上げます。
この見切り材が不適切に施工されていると、つまずきの原因になったり、見た目が不自然になる可能性があります。
適切な見切り材を選び、段鼻の高さや角度を調整することで、つまずきにくく安全な階段が完成します。
また、素材や色味を周囲と合わせることで、デザイン的にも自然な一体感を演出できます。

見た目もキレイ!階段上貼りフローリングのデザイン実例
階段の上貼りリフォームは、安全性だけでなく「見た目の美しさ」も大きな魅力のひとつです。
上貼りでもここまで自然で美しく仕上がる、という実例をもとに、色選び・素材感・配色の工夫をご紹介します。
ナチュラル系からシックまで!カラー選びのコツ
階段は空間の中でも視線が集まりやすい場所です。
そのため、フローリングのカラーを選ぶ際は、明るめのナチュラルウッド系で開放感を出すか、濃色系で落ち着いた印象を演出するかが大きなポイントになります。
上貼り材はライトオーク、ウォールナット、グレージュなど多彩なカラーが揃っており、インテリア全体の雰囲気に合わせた選択が可能です。
また、明るすぎる色は汚れが目立ちやすく、濃すぎる色は傷が目立つ傾向があるため、中間色がバランスの取れた選択肢になることも多いです。
蹴込み板と踏み板の配色バランスとは
階段は「踏板(ふみいた)」と「蹴込み板(けこみいた)」で構成されます。
この2つの部位をあえて違う色にすることで、視認性が高まり、段差が分かりやすくなるという効果があります。
たとえば、踏板を濃いブラウン、蹴込み板を白系にすることで、空間にメリハリが生まれ、上品な印象に仕上がります。
逆に、全体を同系色でまとめることで、統一感を重視したナチュラルテイストの仕上がりも可能です。
他の床材との統一感を出すポイント
階段だけをリフォームすると、他の部屋の床との色や質感の違いが気になるという方もいらっしゃいます。
その場合は、上貼り材のカラーバリエーションを活用し、既存フローリングに近い色合いを選ぶのがコツです。
また、階段から続く廊下や玄関と素材感や光沢を合わせることで、空間全体のまとまり感が生まれます。
上貼りフローリングならではの柔軟なデザイン対応で、「階段だけ浮いて見える」問題もスマートに解決できます。

階段だけ上貼りしたい人に向けた選び方と施工の注意点
「階段だけ部分的にリフォームしたい」というニーズはとても多くなっています。
しかし、部分施工だからこそ気をつけたいポイントや、後悔しないためのチェックポイントがあります。
ここでは、素材選びのコツ、施工時の配慮、そして注意点を解説します。
階段だけリフォームしても浮かない素材の選び方
階段だけをリフォームする場合、最も気になるのが既存の床との見た目の差です。
そのため、選ぶフローリング材は、色合いや木目の方向、艶感などを既存フロアに近づけることが重要です。
上貼りフローリングには明るい色から深い色まで多彩なラインナップがあり、既存フローリングに合わせやすい素材を見つけやすいのがメリットです。
また、素材感や表面仕上げの違いが目立ちにくいように、階段と床のつなぎ目に見切り材を活用するのもおすすめです。
施工音・木くず対策は?実際の現場での工夫
上貼り施工では、丸ノコによるカット作業の際に発生する音と木くずが気になるポイントです。
ただし、上貼りフローリングはカッターで施工できない厚みと硬さがあるため、どうしても電動工具の使用が必要です。
そのため、職人は事前に養生を徹底し、飛散を最小限に抑えるよう配慮します。
また、施工中の騒音も極力短時間にとどめ、住みながらのリフォームでもストレスを抑えられるよう工夫されています。
上貼りフローリングで後悔しないためのチェックリスト
上貼りで階段をリフォームする際は、下記のポイントを事前にチェックすることで、後悔を避けることができます。
段差調整や削り作業の必要性があるか
階段に滑り止め加工が必要か
他の部屋との色味・素材感の統一性はとれているか
見切り材の配置と高さは適切か
安全面と美観をどちらも満たしているか
特に「安全性>見た目」という視点で施工内容を検討することが、家族みんなが安心できる階段リフォームにつながります。
まとめ
階段のフローリングを上貼りでリフォームすることで、張り替えに比べて短期間・低コストでの施工が可能になります。
安全性の高い滑り止め仕様や、段差調整の工夫、既存の床材との色合わせなど、見た目と機能性の両立も十分に実現できます。
部分的なリフォームでも、適切な材料選びと職人の技術によって、自然な仕上がりと快適な暮らしを手に入れることができます。
階段だけリフォームを考えている方は、ぜひ上貼りフローリングという選択肢を検討してみてください。