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【保存版】フローリングの劣化診断|張替えか上貼りかの見極め方と業者の選び方

こんにちは!
記事が書けるフローリング職人です!
今回は「フローリングの劣化にどう対応すれば良いか。」について解説しますよ!
フローリングの劣化といっても、症状や原因はさまざまです。

フローリングがきしむへこむ反る表面が剥がれる——。
見た目は似ていても、必要な工事はまったく違うことがあります。

この記事では、フローリングの症状を手がかりに「DIYで直せるのか」、上貼りできるか」、「張替えが必要か」を診断できるように整理しました。
また、遮音フローリングや床暖房などに上貼りできる数少ないフローリング材、そして業者を選ぶときの注意点もまとめています。

「費用」や「工期」の詳しい比較については、フローリングは張り替える?上から貼る?費用・工期・仕上がりを6帖と3LDKで比較!⇐をご覧ください。
ここでは、まず「あなたの床が今どんな状態かを把握」し、次の一歩を決めましょう!

劣化の原因と起きやすい症状

フローリングの不具合は、原因によって症状の出方が異なります。
代表的なのは「湿気」、「日射」、「摩耗」の三つです。

  • 湿気:床下の湿度が高いと、反り浮きふわつきが起きやすくなります。

  • 日射:直射日光が当たる場所は、表面が色あせたりひび割れたりします。

  • 摩耗:長年の歩行や家具の移動で、へこみ表面の剥離が進みます。

フローリングの劣化原因を知ることで、単なる見た目だけでは分からない、「直せるのか直せないのか」が判断しやすくなります。


 症状別チェックリスト

以下の表を参考にして、気になるフローリングの劣化症状をチェックしてみましょう。

症状原因の仮説まずやること推奨工法の目安注意点
へこみ・打痕重い家具や物落下範囲確認(cm)・素材確認軽微ならDIY補修/広範囲なら上貼り下地の陥没は張り替え検討
床鳴り下地のビス緩み・乾燥収縮発生位置の確認・歩行テスト下地良好なら上貼りで抑制可広域&経年劣化は張り替え
反り・浮き湿気・接着不良含水率や水回り近接を確認軽微なら上貼り/下地腐朽は張り替え原因未解決での上貼りは再発リスク
表面剥離・傷摩耗・紫外線面積と深さを確認小規模はDIY再塗装/広範囲は上貼りUV・耐傷性の高い材を選定
ふわつき・沈み下地劣化・シロアリ点検口から確認・専門調査張り替え(下地補修が必要)放置は事故リスク大

 診断フローで分かる工法の選び方

フローリングの劣化症状が分かったら、次はフローリングの工法を選びます。
流れはシンプルで、DIY → 上貼り工法 → 張り替え工法の順に可能性を検討すると迷いませんよ。
費用感もこの順番です。
安い→普通→高額となっているので、とても分かりやすいですよね!

  • 小さなへこみや表面の剥離はDIYで補修可能。
    補足情報:リペア業者を呼べば、DIYよりも費用はかかりますが、どこに傷があったのか分からないレベルの仕上がりになります。

  • 下地が健全なら上貼りで十分なケースが多い。
    補足情報:上貼りと言っても、業者の中には、「これ本当に上から貼ったの?と、ビックリするほどの仕上がりにできる業者がいます。
    ちなみに当社もできます。
    なので、上貼りの仕上がりの美しさは「張り替えとほとんど同じと思っても大丈夫です!

  • 下地に劣化がある場合は張り替えでないと根本を解決できません。
    フローリングの健康には、下地の強さが不可欠です。
    補足情報:下地のダメージが部分的な場合は、その一部分の下地だけを入れ替えて、高さを整えて上貼りをすることで、費用を抑えられるケースがあります。

DIYにするか、フローリング業者に頼むかの判断基準は、「劣化の範囲」、「下地の健康状態」、「通常生活への危険度」です。
とくに、フローリングの沈みこみたわみは、放置すると底が抜けて落下する、フローリングが折れて、とがった部分が刺さる、などの事故が起こる可能性があります。
また、傷んだフローリングを放置しているあいだに、劣化が劣化を引き起こして全ての下地からやり直さないと改善できないといった、高額費用が確定する取り返しがつかない状況につながるため、フローリングに沈みこみたわみの症状がある場合は、早めに専門業者を呼んで調査する事をおすすめします。

下の画像は、私が請け負った取り返しがつかない最悪なケースの現場の一つです。
たわんできた箇所に、板を敷いてやり過ごしていたそうです

板を外すと、床下はビショビショ。
下地の木はブヨブヨです。


原因は、外壁のクラック(ヒビ割れ)をつたって床下に入り込んだ雨水による湿気と水害です。


症状はたわみです。
床下から、水による劣化がはじまり、室内にたわみとして劣化の症状が表面化してきた時点でフローリングの専門業者を呼んでいれば、部屋全体の下地からフローリングまでをやり替える必要はなかったかもしれませんね。

症状から工法が決まったら、実際の費用や工期についてはフローリングは張り替える?上から貼る?費用・工期・仕上がりを6帖と3LDKで比較!⇐をご覧ください。

上貼りできる場合・できない場合

様々な上貼り材がありますが、そのほとんどの上貼り材は万能ではありません。
とくにマンションの利用規約には遮音規定があり、フローリング材の性能が遮音等級(L)値を満たす必要があります。
また、床暖房がある場合は熱伝導と耐熱性能を満たす製品でないと使えません。

さらに、上貼りフローリングが段差やドア下に引っかかる場合、その個所の高さを加工できる業者でないと、仕上がりが美しくなかったり、施工後にフローリングと建具が干渉する恐れがあります。
条件を満たさない床材や、技術がない業者が施工すると、快適さだけでなく安全性も損なわれる恐れがあるので、注意しましょう。

DIYで済むか?業者に任せるべきか?

DIYで直せるのは、軽微なへこみや表面の塗装程度です。
一方で、フローリングの床鳴りふわつき反り浮きは下地の問題であることが多く、DIYでの対応は難しいです。

業者に任せる基準は以下の通りです。

  • 床が沈む・ふわつく

  • 複数箇所で床鳴りがある

  • 広範囲に反りや浮きが出ている

  • シロアリや湿気が疑われる

これらの場合は、張替えによる下地処理が必要になるため、早めに業者に相談しましょう。

シロアリについて詳しくはコチラフローリングの隙間から蟻(アリ)が?理由と解決策について徹底解説します!⇐をご覧ください。

良い業者を選ぶポイント

信頼できる業者を選ぶには、以下を必ず確認してください。

  • 見積り内訳の透明性:撤去・処分・下地補修・材料・施工・諸経費を分解して提示しているか。

  • 製品適合性:遮音床や床暖房に製品が対応しているか。

  • 保証と実績:施工後の剥がれや隙間の保証があるか。部分交換の対応可否や実施工写真の提示があるか。

これらを満たす業者で、あなたの悩みを親身になって聞き、何を聞いても分かりやすく答えてくれる対応力があれば、安心して任せられます。


 費用と工期の要点(詳細はリンクから比較記事へ)

症状別の対処に集中するため、本記事では費用や工期の詳細比較は割愛します。
㎡単価・6帖・3LDKの費用感や工期の実感値は、費用と工期比較特化のフローリングは張り替える?上から貼る?費用・工期・仕上がりを6帖と3LDKで比較!⇐をご覧ください。
ここでは「症状別にどの工法が必要か」を判断することを優先しました!

まとめ

フローリングの劣化は、同じ「傷んでいる」ように見えても原因はさまざまです。
フローリングの劣化症状を正しく診断すれば、「DIYで直せるのか」「上貼りで十分か」「張替えが必要か」が判断できます。

チェックリストと診断フローを使えば、業者に相談する前に自分でも方向性を整理できます。
そのうえで、選んだフローリング材が遮音床や床暖房などの条件を満たしているかを確認し、信頼できる業者に依頼しましょう。