2023年9月11日 【免責をタップして表示】 本ページは一般的な情報提供です。法規・構造・管理規約により可否が変わり、性能や結果を確約するものではありません。 詳細は法令・メーカー仕様・契約条件をご確認ください(2025年11月時点)。 朝起きて床を歩いたとき、「あれ、少し波打ってる?」と感じたことはありませんか。それは気のせいではなく、フローリングが湿気を吸って膨らんでいるサインかもしれません。多くの方が、最初は「すぐに直さなきゃ」と焦る一方で、「どこに原因があるのか」「修理が必要なのか」が分からず不安を抱えています。実際、フローリングの波打ちは湿度・施工・床下の環境など、複数の要因が絡んで起こることが多いのです。この記事では、波打ちの症状を見分け方から原因、直し方までを順に整理し、「修理すべきケース」と「経過観察で大丈夫なケース」を判断するための具体的な材料をまとめました。また、湿気対策や除湿のコツを知りたい方は、➡「湿気でフローリングが波打つ前に|床の変形を防ぐ除湿・通気のポイント集」もあわせてご覧ください。 もくじ1 フローリングが波打つ症状とリスクを見分ける1.1 歩くと沈む・浮く・突き上げるなどの違い1.2 写真で見る波打ちと床鳴りの見分け方1.3 安全性と生活への影響(滑り・段差)2 原因を切り分ける:湿気・施工・床下の要因2.1 湿気と含水率の関係(目安としての基準)2.2 施工要因の典型例(接着・クリアランス)2.3 床下の湿気や結露の影響3 診断フローとセルフチェックリスト3.1 ステップ①:見た目と感触のチェック3.2 ステップ②:湿度と気候の影響を確認3.3 ステップ③:下地や床下の確認(可能な範囲で)4 修理・補修を検討すべきケース4.1 部分補修で対応できるケース4.2 全体張り替えを検討すべきケース4.3 判断に迷ったときの相談先5 再発を防ぐための湿気管理とメンテナンス5.1 季節ごとの除湿と換気の習慣化5.2 家具・ラグ・観葉植物の配置に注意5.3 定期的な点検で「変化を見逃さない」6 まとめ|原因を知ることは、安心への第一歩 フローリングが波打つ症状とリスクを見分けるフローリングが波打つと、最初は「少しの違和感」として気づくことが多いです。けれど、そこには床の内部で木材が膨らみ、押し合っているという変化が起きている可能性があります。ここでは、「見た目」「感触」「生活への影響」の3つの視点から、症状を見ていきましょう。歩くと沈む・浮く・突き上げるなどの違い床を歩いたときに「ふわっ」と沈むような感触がある場合、それは床材が下地からわずかに浮いている状態かもしれません。接着が弱くなっていたり、下地の合板が湿気を含んで膨張していると、表面のフローリングが支えを失って柔らかく感じるのです。一方で、見た目に山のような盛り上がりが見える場合は、木材同士が膨張し、逃げ場を失って押し合っているサイン。この状態を放置すると、板の反り戻りや、つなぎ目の割れにつながることもあります。「沈む」「盛り上がる」「ギシッと鳴る」──それぞれが示す意味は少しずつ違うので、症状を“感触”で覚えておくことが大切です。写真で見る波打ちと床鳴りの見分け方波打ちと床鳴りは似ていますが、実は性質が異なります。床鳴りは木と木、または木と金具の摩擦による「音」が主な現象です。一方の波打ちは、木材そのものの変形や浮き上がりが原因。音がしなくても床が盛り上がっている場合は、波打ちを疑いましょう。気になる箇所をスマートフォンで撮影しておくと、時間の経過で変化を追いやすくなります。同じ角度・照明条件で撮るのがコツです。もし、数週間で段差が明確になってきたら、湿気や下地の変化が進んでいるサインです。安全性と生活への影響(滑り・段差)波打ちは見た目の問題だけでなく、生活の安全面にも影響します。盛り上がった床は足を引っかけやすく、家具の脚も安定しません。小さな段差が原因で転倒するリスクもあり、とくに小さな子どもや高齢者のいるご家庭では注意が必要です。また、掃除機の走行が引っかかる、ロボット掃除機が段差で止まるなど、日常のちょっとした不便として現れることもあります。こうした変化を「小さな異変」として受け止め、早めに原因を確かめておくと安心です。 原因を切り分ける:湿気・施工・床下の要因フローリングが波打つ原因はひとつではありません。湿気・施工・床下環境──それぞれが単独、もしくは複合して起こることがあります。焦らず、どの要素が強く影響しているのかを順に見ていくと、対処の方向性が見えてきます。湿気と含水率の関係(目安としての基準)木材は湿度が上がると水分を吸い込み、下がると放出します。室内湿度が60%を超える状態が続くと、含水率(木が含む水分の割合)が上がり、膨張による反りや盛り上がりが発生します。梅雨のように湿度が高い季節では、わずか1週間でも変形が進むことがあります。逆に、急激な乾燥で収縮すると、継ぎ目が割れたり、すき間が広がったりすることも。つまり、「湿度の変化幅」そのものが波打ちを招くのです。※除湿・換気の実践方法は、➡**「湿気が原因?フローリングが波打つ前にできる除湿・換気テクニック集をご紹介します!」**をご参照ください。施工要因の典型例(接着・クリアランス)施工時の「わずかなミス」が、数年後の波打ちにつながることがあります。接着剤の塗布ムラや、床材同士の間隔(クリアランス)を狭く取りすぎた施工などが典型です。木材は季節で膨張・収縮を繰り返すため、わずかでも“逃げ場”をつくっておくことが大切です。また、釘やネジを強く締めすぎると、木材が動けずに突き上がることもあります。こうした「施工時の締めつけ」が、後に床の盛り上がりとして現れるケースは意外と多いです。床下の湿気や結露の影響床下は普段見えない場所ですが、実は湿気のたまりやすい環境です。換気口が塞がれていたり、防湿シートが破れていたりすると、地面からの水分が床下に上がり、フローリング裏面から湿気を吸い上げることがあります。とくに築10年以上の住宅では、基礎コンクリートの微細なひびから湿気が入り込む場合もあります。そのままにしておくと、下地や断熱材にカビが生えるおそれも。床下点検口がある場合は、一度覗いてみるだけでも状態を把握できます。参考:➡「気温、湿度」(国土交通省 気象庁)➡「湿度・気圧・日照時間について」(国土交通省 気象庁)2025年11月時点 診断フローとセルフチェックリスト「この波打ちは放っておいても大丈夫?」「修理を頼むべき?」そう思ったとき、まずはご自身でできる範囲の確認ステップから始めてみましょう。専門的な機材を使わずに、現状の“深刻度”を知る目安を紹介します。ステップ①:見た目と感触のチェック見た目の段差があるか 斜めから光を当てて、床表面に影が出るか確認します。 線状に光が曲がって見える場合は、波打ちが発生しているサインです。足裏の感覚を確かめる 素足で歩くと、沈み・浮き・硬さの違いが分かりやすくなります。 床の“しなり”を感じたら、下地の変形を疑いましょう。家具の脚が傾いていないか テーブルや椅子の脚がガタつくときは、床面が水平でない可能性があります。これらを組み合わせて、波打ちの範囲と程度を把握しておくと、専門家への相談時にも説明しやすくなります。ステップ②:湿度と気候の影響を確認湿度計をお持ちであれば、室内の湿度を1週間ほど記録してみましょう。湿度が常に60%を超えている状態なら、木材が膨張傾向にあると考えられます。反対に、乾燥して40%を下回る日が続くと、すき間やひびが出やすくなります。梅雨や秋雨前線の時期は、湿度の変動が最も大きい季節です。一時的な波打ちであれば、除湿や換気によって自然に戻るケースも少なくありません。(詳しい湿度管理の方法は ➡ 「湿気でフローリングが波打つ前に|床の変形を防ぐ除湿・通気のポイント集」 をご覧ください。)ステップ③:下地や床下の確認(可能な範囲で)床下点検口がある場合は、湿気やカビの臭い、断熱材のたわみを確認します。懐中電灯で基礎のコンクリートを見て、黒ずみや結露の跡があれば、床下から湿気が上がっている可能性があります。床下に潜る必要はありません。点検口から見える範囲で、「乾いているか」「カビ臭くないか」を感じ取るだけでも十分な判断材料になります。(参考:建築基準法・採光換気要件/日本住宅性能表示基準(2025年11月時点)) 修理・補修を検討すべきケース波打ちが自然に戻らない場合や、症状が進行している場合には、早めの修理や補修を検討することが大切です。放置すると、床材の張り替えだけでなく、下地や構造への影響も広がるおそれがあります。部分補修で対応できるケース・波打ちが**局所的(1㎡以内)**で、他の部分が安定している場合・湿気の原因が一時的で、含水率が安定している場合このようなケースでは、再接着や局所的な張り替えで対応できることがあります。費用も比較的抑えられ、施工時間も半日〜1日程度で完了することが多いです。(※ただし、使用する接着剤の種類や床材構造によって異なります。)参考内部リンク:➡上から貼ったとは思えない仕上がり!ナオスフローリングとは?仕上げ技術も公開します!全体張り替えを検討すべきケース・波打ちの範囲が広く、床全体で盛り上がりや段差が出ている・床下にカビ・湿気・結露の跡がある・築年数が経過し、下地の合板に劣化が見られるこのような場合は、床全体を張り替えることで根本的な改善を図ります。特に、下地に湿気が入り込んでいる場合は、フローリングを張り替えても再発する可能性があるため、**床下の防湿施工(防湿シート・調湿材の設置)**を同時に行うのが理想的です。判断に迷ったときの相談先「業者に相談すると、すぐ工事を勧められそう…」そんな不安をお持ちの方も多いと思います。まずは、信頼できる建築士やリフォーム会社に現地確認を依頼するのが安心です。リクテでは、現場調査を通じて**「修理が本当に必要か」から整理**するサポートを行っています。現状を見たうえで、補修・張り替え・経過観察のそれぞれの選択肢を提示します。(※現場調査は無料。詳細は➡「ご相談フォーム」からお問い合わせいただけます。) 再発を防ぐための湿気管理とメンテナンス修理を終えた後も、湿気をためない暮らし方を続けることが大切です。再発を防ぐためには、季節に合わせたメンテナンスの習慣を身につけましょう。季節ごとの除湿と換気の習慣化春・秋は一見快適な時期ですが、気温差が大きく湿度が変動しやすい季節です。外気が乾いているときは窓を開けて空気を入れ替え、梅雨や冬場の結露期には除湿機やエアコンの「ドライ」モードを活用しましょう。特に梅雨時は、室内湿度を50〜60%程度に保つことを意識すると良いです。この数値を維持できるだけでも、木材の膨張・収縮を大幅に抑えられます。家具・ラグ・観葉植物の配置に注意家具を壁にぴったりつけてしまうと、空気が滞りやすくなります。5cm程度の隙間を確保することで、通気が生まれます。また、ラグやカーペットの下は湿気がこもりやすい場所です。定期的に干したり、除湿シートを敷くと効果的です。観葉植物を多く置いている場合は、水やりの直後に一時的な湿度上昇が起きます。風通しの良い位置にまとめて置くことで、湿気を分散できます。定期的な点検で「変化を見逃さない」年に1回、季節の変わり目に床の状態を軽く点検する習慣を持つと安心です。小さな変化のうちに気づければ、修繕は簡単で費用も抑えられます。湿気と上手につきあうことは、家を長く大切に使う第一歩です。参考内部リンク:**「湿気が原因?フローリングが波打つ前にできる除湿・換気テクニック集をご紹介します!」**を参考にしてください。 【免責をタップして表示】 本ページは一般的な情報提供です。法規・構造・管理規約により可否が変わり、性能や結果を確約するものではありません。 詳細は法令・メーカー仕様・契約条件をご確認ください(2025年11月時点)。 【当社の取り組みと参考データを表示】 【当社の取り組み】 フローリングの波打ちについて、まず症状の整理と原因の切り分けを行い、張替え・上貼り・部分補修などの 選択肢を並べて比較できる形でご案内しています。 住みながらの工事に配慮し、段差や建具の納まり、管理規約の確認までを一連の流れとしてご説明します。 【これまでの実績データ(参考値)】 工期の目安(シミュレーション):部分補修 1〜2日/上貼り 2〜3日/張替え 約1週間。室内湿度の目安(シミュレーション):40〜60%の範囲を保つと木材の膨張・収縮が落ち着きやすい傾向があります。※住戸の構造・床下環境・仕上げ材により変わります。あくまで検討時の目安です。 【参照基準・資料(国土交通省、気象庁)】 ・気温、湿度・湿度・気圧・日照時間について(2025年11月時点) 【ご確認いただきたいこと】 住戸ごとに構造・配管・防火区画・管理規約が異なります。 本稿は個別助言ではなく、判断材料の提供を目的としています。比較はできるだけ同条件・同期間・同指標で行い、条件が異なる場合は「目安」としてご覧ください。 まとめ|原因を知ることは、安心への第一歩フローリングの波打ちは、誰の家にも起こり得る自然な現象です。けれど、そのまま放っておくと、床材の変形や構造の劣化につながることがあります。大切なのは、「いま、どんな状態なのか」を冷静に知ることです。目で見て、足で感じて、少し湿度を意識する──それだけでも、家の変化に気づきやすくなります。原因の多くは、湿度や下地環境、施工時のわずかな条件にあります。つまり、適切な環境を整えれば、同じトラブルを繰り返さずに済むケースが多いのです。この記事が、皆さんの家の「状態を見極めるきっかけ」になれば嬉しいです。具体的な除湿・換気の方法は、関連ページの➡ 「湿気が原因?フローリングが波打つ前にできる除湿・換気テクニック集をご紹介します!」もあわせてご覧ください。➡フローリングのリフォームはリクテカへご相談ください