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無垢 vs 複合フローリング比較|戸建て・マンション別の選び方と遮音等級【保存版】

皆さんこんにちは!フローリング選びは「無垢複合か」だけではなく、戸建てとマンションで最適解が大きく変わるのをご存じでしょうか。

戸建てでは断熱や床暖房との相性が重視されますが、マンションでは管理規約や遮音等級(LL-45など)が判断のポイントとなります。

この記事では、無垢と複合フローリングの特徴を整理し、戸建て/マンション別にベストな選び方を解説します。

さらに、管理規約のチェックポイントや現実的な代替案、比較表やQ&Aまで用意しました。
この記事を読むことで皆さんの、それぞれのお住まいに合ったフローリングを、安心して選べる判断材料になると思います!

無垢・複合の基礎知識(定義/構造/価格帯/メンテナンス性)

フローリングを選ぶとき、まず理解しておきたいのが無垢と複合フローリングの違いです。
これを正しく把握しておくことで、それぞれのお住まいごとに合う床材を選びやすくなります

無垢フローリングは、丸太から切り出した天然木をそのまま使用しているのが特徴です。
自然な木目や質感が魅力で、経年変化によって味わいが深まる点も人気があります。
ただし、湿度変化による膨張や収縮が避けられず、反りや隙間が出やすいというリスクがあります。

一方、複合フローリングは合板などを基材にして表面に化粧材や挽板を貼り合わせた構造です。
寸法安定性に優れ、床暖房にも対応しやすいのがメリットです。
ただし、表面材が薄い場合は削り直しが難しく、長期的には無垢ほどの耐久性を発揮しにくいことがあります。

価格帯で比較すると、無垢フローリングは材種や厚みによって幅があるものの、一般的には複合フローリングより高めです。
複合フローリングは大量生産が可能なため、コストを抑えやすく、施工のしやすさから工期も短縮できます。

メンテナンス面では、無垢フローリングは定期的なオイル塗装やワックス掛けが推奨されます。
複合フローリングは表面加工により汚れや傷に強く、日常の掃除もしやすいという点で扱いやすいです。

結論として、**「質感や経年変化を重視するなら無垢」「機能性や扱いやすさを優先するなら複合」**と考えると分かりやすいでしょう。

下記の画像は複合フローリングです。

戸建ての場合

戸建て住宅では、床材選びにおいて自由度が高い反面、断熱性や床暖房対応、下地の施工条件がポイントになります。
ここでは、無垢と複合フローリングそれぞれの向き不向きや施工の注意点を整理していきます。


選び方の基準(断熱・床暖房・下地条件)

戸建ての場合、まず重視したいのが断熱性です。
無垢フローリングは熱をためやすく、冬でも足元が冷えにくい特徴があります。
一方、複合フローリングは合板構造のため断熱性はやや劣りますが、床暖房との相性に優れています

また、下地の作り方にも注目しましょう。
無垢フローリングは湿度変化に敏感なので、下地に十分な乾燥材や通気層を確保することが大切です。
複合フローリングは寸法安定性が高いため、多少の環境変化にも耐えやすく、施工の自由度が高いといえます。

結論として、**「自然な暖かさを活かすなら無垢フローリング」**で、**「床暖房との併用を重視するなら複合フローリング」**が選び分けの基準となります。


無垢が向くケース/複合が向くケース

無垢フローリングが向いているのは、湿度管理がしやすく、木の経年変化を楽しみたい住まいです。
リビングや寝室など、長時間過ごす場所に取り入れると快適さを実感しやすいでしょう。

複合フローリングが向くのは、床暖房を導入している家庭や、メンテナンスを最小限にしたい場合です。
また、小さなお子さんやペットがいる家庭では、傷や汚れへの強さを優先できる点も大きなメリットです。

このように、ライフスタイルに応じて両方のフローリングの特性を活かすことが重要です。


施工とメンテナンスの注意点

戸建てで無垢フローリングを使用する場合、施工時の含水率管理が欠かせません。
乾燥不足のまま施工すると、数年後に反りや割れが発生する可能性があります。
また、オイル仕上げを選ぶなら、定期的なメンテナンスが前提となります。

複合フローリングは表面にUV塗装や特殊加工が施されていることが多く、普段の掃除は乾拭きやモップで十分です。
ただし、表面材が薄い場合は再研磨ができないため、使い方によっては、10~15年後には張り替えが必要になる場合がある点は理解しておきましょう。

最終的には、**「手間をかけてでも自然素材を活かすか」「機能性を優先して扱いやすさを取るか」**という姿勢が選択の分かれ道です。

下の画像は3種類の無垢フローリングです。

マンションの場合

マンションでのフローリング選びは、戸建てと大きく事情が異なります。
特に管理規約と遮音性能の制約が大きなポイントとなり、自由に無垢フローリングを選べるケースは限られます
ここでは、マンション特有のルールや遮音等級の基準、そして現実的な選択肢について解説します。


管理規約の確認ポイント(直貼り/二重床/遮音規定)

マンションでは、各物件ごとに管理規約や使用細則が定められており、フローリング選びに直接影響します。
多くの場合、床材は「直貼り禁止」や「二重床限定」といったルールがあり、遮音マットや床材の厚みにも制限があります。

例えば、厚さ12mm以上の直貼りが禁止されているケースや、必ず二重床+遮音等級LL-45以上を求められるケースがあります。
こうした条件を無視すると、下階からのクレームや施工不許可につながるため、契約前に必ず管理規約を読み込むことが重要です。


遮音等級の実務(LL-45等の目安・体感の注意)

マンションで頻繁に登場するのが**遮音等級(L値)**です。
特に「LL-45」という表記を見かける方も多いでしょう。

これは「軽量床衝撃音」に対する遮音性能を示し、45等級なら「まずまず良好」とされます。
しかし、カタログ上はLL-45でも、実際には下階で足音が聞こえることもあります。
これは遮音等級があくまで実験室条件の数値だからです。

実際の生活では、家具の移動や子どもの飛び跳ね音など、規格外の騒音も多く存在します。
そのため、LL-45を満たしても「完全に静か」というわけではなく、目安に過ぎない点を理解しておくことが大切です。


現実的な選択肢(防音複合・置き床・アンダーレイ)

マンションでは、遮音規定を満たしながら快適性を確保するため、現実的な代替案を検討する必要があります。

1つは、防音性能付きの複合フローリングです。
基材にクッション層や遮音材を組み込んでおり、規約をクリアしやすいのが特徴です。

次に、挽板仕上げの複合フローリングを「置き床システム」と組み合わせる方法があります。
これにより、天然木の質感を保ちつつ遮音性能を確保できます。

さらに、ラグやアンダーレイ(下敷き材)を活用する方法もあります。
特に子供部屋やリビングでは、追加の防音対策として有効です。


無垢フローリングが使える/使えない条件

マンションで無垢フローリングを使うには、いくつかのハードルがあります。
直貼りでは遮音性能が不足しやすく、多くの規約で禁止されています。

もし無垢材を導入するなら、二重床に遮音材を組み込み、下地からやり替える必要があります。
これにより遮音等級を満たせば施工可能なケースもありますが、工事費用や工期は大きく膨らみます。

結論として、マンションで無垢を選べるのはごく限られた条件下のみであり、実際には防音仕様の複合や置き床+挽板が現実的な解決策です。
また、現代では遮音フローリングの上にも貼れる「上貼りフローリング」が登場しています。
この上貼りフローリングは、「張り替え」のフローリングの施工額の約1/3に抑えれるという特徴があります。
なお、上から貼っているのに、「これ本当に上から貼ったの?」と驚く仕上がりが可能です。
「遮音床に施工可能な上貼りフローリング」について詳しくは
ナオスフローリングによる防音床のリフォームは従来のフローリング施工額の約1/3⇐をご覧ください。

下の画像は遮音床への上貼り施工の風景です。

比較表:戸建て/マンション × 無垢/複合

ここまで解説した内容を整理すると、戸建てとマンションではフローリング選びの基準が大きく異なることがわかります。
無垢と複合フローリングそれぞれの特性を、住まいの条件ごとに比較できるように表にまとめました。

以下の表を見れば、皆さんそれぞれのケースに合った床材の方向性を一目で確認できると思います。

項目戸建て × 無垢戸建て × 複合マンション × 無垢マンション × 複合
コスト中~高(材種で変動)低~中(安定)高(下地改修が必要)中(防音仕様はやや高め)
遮音性能規約がないため不要同上規約クリアが難しい(下地工事必須)LL-45対応など規約クリアしやすい
質感・デザイン自然な木の温かみ、経年変化を楽しめる木目調~挽板まで幅広く選べる条件次第で導入可、ただし制約多い豊富なデザインで安定供給
メンテナンス定期的なオイル塗装・ワックスが必要傷や汚れに強く掃除しやすい同左、ただし湿度リスク大掃除しやすく再塗装不要
資産性天然素材として価値あり安定した性能で長期利用可工事難易度が高く資産性は限定的防音性能付きなら需要に応えやすい

このように比較すると、戸建ては自由度が高く「好み」で選べるのに対し、マンションは規約と遮音性能が大きな制約になっていることがわかります。

最終的な選択は、生活スタイルと住環境の条件を照らし合わせて判断するのが賢明です。

ケース別Q&A(床暖房・ペット・子供・賃貸可否など)

フローリング選びでは、「うちの場合はどうなの?」という具体的な疑問がつきものです。
ここでは、よくあるケース別の質問に答えながら、無垢と複合のどちらが適しているかを整理しました。


床暖房と相性が良いのは?

結論から言えば、床暖房には複合フローリングが相性抜群です。
合板構造のため熱による伸縮が少なく、床暖房の熱を効率よく伝えられます。

一方、無垢材は熱で乾燥や反りが生じやすく、対応可能な商品も限られています。
どうしても無垢を使いたい場合は、「床暖房対応」と明記された商品を選ぶ必要があります。

そのため、床暖房を優先するなら複合を、自然な質感を最優先するなら無垢の対応品を検討するのが現実的です。


ペットのいる家庭ではどちらが向いている?

ペットのいる家庭では、複合フローリングの方が安心です。
表面に傷や汚れに強い加工がされているため、犬や猫の爪あとや水こぼしに耐えやすいからです。

無垢材は傷やシミがつきやすいですが、そのぶん研磨や補修でリカバリーできるというメリットもあります。
ただし、頻繁な掃除やケアが前提になるため、手間をかけられる家庭に向いています。

結果として、「手軽に安心を選ぶなら複合フローリング」「素材感を楽しみつつ丁寧に暮らすなら無垢フローリング」という、今の住み方と今後の予定の違いで選び分けると良いでしょう。


小さな子供や賃貸物件ではどう選ぶ?

小さな子供がいる家庭や賃貸では、遮音性能と扱いやすさが大切です。
特にマンションの場合、子供の走り回る音や物を落とす音が下階に響きやすいため、遮音等級LL-45対応の複合フローリングが現実的な選択肢になります。

賃貸物件では、管理規約やオーナーの意向によって無垢材が認められないケースも多いです。
その場合、ラグやアンダーレイを活用して遮音・防汚対策を強化する方法が有効です。

結論として、子育てや賃貸環境では「機能性と規約対応」を優先し、複合フローリングを基本に考えるのが安心です。

まとめ

フローリング選びは、戸建てとマンションで正解が異なることを理解するのが第一歩です。

戸建てでは、断熱性や床暖房対応の有無を基準に、無垢フローリングは自然な質感を楽しみたい人向け、複合フローリングは扱いやすさを重視する人向けと整理できます。

一方マンションでは、管理規約や遮音等級(LL-45など)が判断の軸となり、無垢を選べるのは限られた条件下のみです。
現実的には、防音仕様の複合フローリングや置き床システム+挽板仕上げが最も選びやすい解決策となります。

記事内の比較表やケース別Q&Aを参考にしながら、**「自分の住環境とライフスタイルに合った床材はどれか」**を考えてみましょう。
最終的な意思決定は、施工業者への相談や管理規約の確認とあわせて行うと安心です。

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