部屋のレイアウト変更やテレワークの普及によって、コンセント増設の需要が高まっています。
しかし、いざ増設を検討すると「費用はどのくらい?」「どこに配置すればいい?」といった疑問が次々に出てくるものです。
正しい知識を持って計画すれば、快適で安全な住まいづくりが実現できます。
この記事では、コンセント増設にかかる費用や工事の流れ、注意点、配置のコツまでを徹底的に解説します。
無駄な出費や後悔を防ぐためにも、ぜひ最後までお読みください。

もくじ
コンセント増設の費用相場はいくら?
コンセント増設にかかる費用は、工事内容や住宅の状況によって変動します。
この記事では、標準的な相場と費用の内訳を詳しく解説し、納得して依頼できるようサポートします。
一般的なコンセント1か所あたりの工事費用目安
コンセント1か所の増設費用は、8,000円〜15,000円程度が一般的です。
ただしこれは「同じ回路内での単純な増設」で済む場合で、配線を大きく引き直すケースでは追加費用が発生します。
さらに、壁の材質や構造、設置場所の難易度によっても変動します。
天井裏や床下の配線が必要な場合は、+5,000円〜10,000円程度見ておくと安心です。
このため、事前に現地調査を依頼することが、正確な見積もりを得る鍵となります。
ケース別(新築・リフォーム・既存宅)の費用比較
コンセント増設は、住宅の種類によってコストに大きな差があります。
新築やリフォーム中で壁が開いている状態であれば、配線が容易なため、1か所あたり5,000円〜10,000円程度で済むこともあります。
一方、既存住宅で壁を壊さずに増設する場合は、配線の引き回しが困難になり、作業量が増えるため、費用も15,000円を超えるケースが少なくありません。
また、マンションなどでは共用部の制約や管理組合の許可が必要になる場合もありますので、工事前に確認が必要です。
見積もり時に確認すべきポイント
見積もりを取る際には、単に「いくらかかるか」だけでなく、「どこまでが費用に含まれるか」を確認しましょう。
例えば、コンセントのカバーやプレートのグレード、作業後の清掃や補修費などが別途加算されることがあります。
また、出張費・交通費の有無もチェックが必要です。
できれば2〜3社から相見積もりを取ると、相場の把握と信頼できる業者選びに役立ちます。
安さだけで判断せず、作業内容と対応力も見極めることが大切です。

増設工事の流れと所要時間を解説
コンセント増設工事は、一般的には1〜2時間ほどで完了する小規模な電気工事です。
しかし、工事の内容や家の構造によっては所要時間や準備が大きく変わるため、正しい流れと注意点を事前に理解しておくことが重要です。
コンセント増設工事の基本的な手順
コンセントの増設工事は、主に以下のような手順で行われます。
増設したい位置の確認と壁内部の状態チェック
既存の回路から電源を引くか、新たな回路を配線
必要であれば壁に穴を開け、配線を通す
新しいコンセントボックスを取り付け、接続
通電テストと仕上げ処理(パテ埋めやカバー取付など)
このように、大掛かりな工事ではないものの、電気工事士の資格が必要な作業です。
資格のない人が行うと違法である上、感電や火災のリスクも伴います。
1か所あたりにかかる時間の目安
一般的に、1か所のコンセント増設にかかる作業時間は約1〜2時間です。
これは壁裏の配線がスムーズにいく場合で、もし構造が複雑だったり、壁を傷めずに施工する必要がある場合は、それ以上かかる可能性もあります。
また、複数か所を同時に施工する場合は、時間もコストも効率的になります。
施工中は一時的にブレーカーを落とすことがあるため、作業のタイミングには注意が必要です。
工事に必要な準備と当日の注意点
工事当日は、施工箇所周辺の家具や荷物を移動しておくと作業がスムーズになります。
また、電気の使用を一時停止する場合があるため、パソコン作業や冷蔵庫の稼働にも配慮が必要です。
施工時間中は立ち会いが求められることが多いため、作業の前後には1〜2時間の余裕を持っておくと安心です。
信頼できる業者であれば、事前にしっかりとスケジュールを伝えてくれますので、不安な点は遠慮せずに質問しましょう。
コンセントの最適な配置と増設場所の選び方
コンセントの増設で最も後悔しやすいのが「配置ミス」です。
必要な場所に足りない、使いづらい位置にあるなど、日常の不便を防ぐためには、生活動線や将来の使い方まで見据えて増設場所を検討することが重要です。
生活動線を意識したおすすめ配置例
コンセントの配置は、実際の生活動線に合わせることが基本です。
例えばリビングでソファ周りにスマホの充電用や掃除機用のコンセントがなければ不便ですし、キッチンでは家電の配置に応じて複数口の設置が求められます。
また、ベッドサイドやデスク周りなどは、使用頻度が高くなるため、最低でも2口以上の設置がおすすめです。
今だけでなく、将来のライフスタイルの変化にも対応できる配置を意識することで、長期的に使いやすい空間がつくれます。
リビング・キッチン・寝室での増設のコツ
場所別に見ると、リビングではテレビ裏・ソファ横・掃除機用の壁面下部が増設の狙い目です。
キッチンは特に家電が多いため、IHヒーター、電子レンジ、炊飯器、トースター用などに専用回路を検討しても良いでしょう。
寝室ではベッドサイドにコンセントがないと、スマホの充電や電気毛布の使用時に不便です。
寝室でおすすめなのは高さを少し上げて配置することで、コードが床に散乱せず掃除もしやすくなります。
それぞれの空間の使い方に応じて、最適な位置と数をしっかり検討しましょう。
増設してはいけないNGパターン
よくある失敗としては、家具の裏になる位置にコンセントを増設してしまうことが挙げられます。
また、エアコンなど大きな電力を使う機器と同じ回路に接続してしまうと、ブレーカーが落ちる原因にもなります。
美観の面でも、配線が露出したり、見た目が悪くなったりするケースもあります。
こうした失敗を避けるには、図面だけでなく、実際の生活イメージに沿った配置をプロと一緒にシミュレーションするのがポイントです。
「ここでよかった」と思える配置を事前に考えることで、使いやすさと安全性の両立が実現します。
失敗しない業者選びのポイントと注意点
コンセント増設は専門知識と資格が必要な工事であり、業者選びを誤ると、後々のトラブルや追加費用の原因になります。
価格だけにとらわれず、信頼できる業者かどうかを見極めるためのポイントを押さえておきましょう。
資格を持つ電気工事士かどうかの確認方法
コンセントの増設には、電気工事士(第二種以上)の国家資格が必要です。
この資格がないまま作業を行うのは電気工事士法違反にあたるだけでなく、感電や火災といった重大なリスクを引き起こします。
見積もりや契約の前には、必ず「電気工事士の資格を持つスタッフが施工するか」を確認しましょう。
名刺やWebサイトに資格情報が記載されていることが多いため、信頼度のひとつの判断基準になります。
相見積もりで価格と対応力を比較する
2〜3社から相見積もりを取ることで、相場を把握できるとともに、それぞれの業者の対応力も見えてきます。
見積もり内容が明確で説明が丁寧な業者は、工事も誠実に行う可能性が高いです。
また、増設工事に関する質問に対してすぐに答えてくれるかどうかも、信頼できるかを見極める大切なポイントです。
単に安い業者ではなく、「納得のいく説明をしてくれる業者」を選ぶことが満足度の高い結果につながります。
悪徳業者を見抜く3つのサイン
以下のような特徴を持つ業者には注意が必要です。
見積書が曖昧で「一式」表記ばかり
異常に安い価格で集客し、後から追加費用を請求する
質問しても具体的な回答がない、対応が横柄
このような業者に依頼すると、予定外のトラブルや高額な請求を受けるリスクがあります。
口コミや評判のチェック、地元での実績などを参考にしながら慎重に選びましょう。
コンセント増設で後悔しないためのQ&A
コンセント増設に関する疑問や不安は、実際に工事を検討する中で多く出てきます。
ここでは特によくある質問をピックアップし、専門的な視点からわかりやすく解説します。
事前に疑問を解消することで、後悔のない選択ができるようになります。
Q:DIYでやっても大丈夫?
結論から言えば、無資格でのDIYはおすすめできません。
コンセント増設は「電気工事士」の資格が必要な作業であり、法律で規制されています。
無資格で工事を行うと、感電・火災などの事故を引き起こすリスクがあるだけでなく、火災保険の補償対象外になることもあります。
「壁に穴を開けてコンセントを付けるだけ」と思いがちですが、内部の配線やブレーカーの容量確認など専門的な知識が求められます。
必ず有資格者に依頼することが、安全で確実な方法です。
Q:増設したらブレーカーは大丈夫?
コンセントを増設することでブレーカーに負荷がかかる可能性はあります。
特に、エアコンや電子レンジなど高出力家電を使用する回路に増設する場合は注意が必要です。
事前に「どの回路に接続されるか」を確認し、必要であれば専用回路の設置や分電盤の見直しも検討すべきです。
増設工事を行う業者に相談すれば、電力負荷のシミュレーションやアドバイスを受けることができます。
将来的な家電使用も見据えた設計を心がけましょう。
Q:将来のリフォームに活かせる増設の考え方は?
将来的なリフォームや設備追加に備えることも、今のうちにできる工夫のひとつです。
例えば、今は使用していない壁面でも、将来テレビやデスク、ベビーベッドを置く可能性があるなら、あらかじめコンセントを設置しておくと便利です。
また、天井裏や壁裏に「将来用の空配管」を通しておくと、配線の追加工事が容易になります。
長い目で見た住まいづくりを意識することで、工事費用や手間を抑えられ、よりスマートな増設が実現できます。
まとめ
コンセント増設は、生活の快適さや安全性に直結する重要なリフォーム項目です。
費用相場は8,000円〜15,000円程度が目安ですが、住宅の構造や工事内容によって変動します。
工事の流れや必要な準備を把握しておけば、当日のトラブルも最小限に抑えることができます。
配置においては生活動線を意識し、将来の変化にも対応できるよう計画的に増設することが大切です。
また、業者選びでは資格保有の有無や見積もりの明確さを確認し、信頼できる業者に依頼することが後悔のない選択につながります。
疑問点を事前に解消し、安全で無駄のないコンセント増設を実現しましょう。